訴訟最終確認通知??あやしい郵便物に注意!!

監修:牧野法律事務所(千葉県弁護士会)
代表 弁護士

訴訟最終確認通知??

訴訟最終確認通知

以前のお客様から、「こんなハガキが来たのだけど・・・」と電話を受けることがあります。
実際に送られてきたハガキを見せてもらうと、「民事訴訟最終確認通知」のタイトルで、差出人は「法務省管理局 民事訴訟相談センター 訴訟窓口」となっていました。

本文には「民事訴訟裁判が執り行われ必要措置手続きが開始された」、「ご連絡がない場合に関しましては請求内容の判決の元執行官立会いにて財産の差押え等が執行されるおそれがありますので必ず異議がある場合に関してはご連絡のほどお願いいたします。」とあります。

「財産の差押え」とあるので、不安になったのでしょう。
しかし、このハガキは実際に存在する公的機関から送られたものではありません。
ハガキに書いてある「ご相談ダイヤル」に電話をしてはいけません。
お客様には、ハガキは無視してくださいとご案内しました。

ところで、このような手口は全国で発生しているようです。
「民事訴訟管理センター」や「日本民事保全協会」、「消費生活相談センター」など、あたかも公的機関かのような名前を使って、不安をあおり、指定の番号に電話をさせようとします。

ハガキだけでなく、封書や電子メール、電話でもあるようです。
裁判所国民生活センターでも、具体的な事例を挙げて同様の手口に気をつけるよう発信しています。

「にせもの」を見分けるポイント

にせものを見分けるポイント

では、どのようにして「にせもの」を見分けたらいいのでしょうか。

多くの方が、実際の裁判所の手続きを経験したことがないため、送られてきたものが「ほんもの」なのか「にせもの」なのか、見分けることが難しいのではないでしょうか。
相手もそこを突いて、わざと紛らわしい名前や内容にしてくるのでしょう。

実際に訴訟を起こされた場合、つまり通知が「ほんもの」だった場合を知っていれば、「にせもの」を見分けることができます。
ここでは、特徴的な3つのポイントをご紹介します。

ポイント1 特別送達

特別送達

まず、本当に自分に対して訴訟を起こされた場合、裁判所から「特別送達」で「訴状」が封書で届きます。

ハガキや電子メール、電話では通知されませんし、電話で訴状の内容を聞くことはできません。
ハガキや電子メール、電話でそれらしいことを言ってきたら、「にせもの」です。

また、封書で届いたとしても、「特別送達」郵便でなかったら、「にせもの」です。
封筒に「特別送達」と書かれていた場合でも、郵便受けに直接入っていたら(郵便局員からの手渡しでなかったら)、「にせもの」です。

「特別送達」の特徴は、次のとおりです。

  • 郵便料金が普通郵便代+990円くらいかかる。
  • 封筒に「特別送達」と書いてある。
  • 受け取るとき「郵便送達報告書用紙」に押印または署名しないといけない。

「特別送達」は、裁判所から大事な書類を当事者に渡す手続きなので、法律で厳格に方法が決まっています。

ポイント2 異議申立て

異議申し立て

また、訴訟に対する異議申立ての方法は、まずは「答弁書」を提出するしかありません。

電話で異議の受付はしていませんので、「異議がある場合はご連絡を」とあるのは「にせもの」です。

「答弁書」の用紙は、裁判所から「訴状」に同封されて「特別送達」で届きます。
異議申立ては、「訴状」の内容について裁判所に意見を伝える大事なものなので、電話のような口頭ではなく、書類によって行われます。

ポイント3 差押え

差押え

加えて、「差押え」をするには、「債務名義」か「担保権」が必要です。

「債務名義」は、訴訟や調停、支払督促などの裁判手続きまたは公正証書を作成しないと手に入りません。

訴訟の場合は判決や和解調書、調停の場合は調停調書、支払督促の場合は仮執行宣言付支払督促などが「債務名義」となりますが、裁判所に手続きを申請してすぐに発行されるものではありません。
裁判所から相手に「特別送達」で書類が送られ、相手に異議申立ての機会が与えられ、決められた手順を踏んで手続きが行われます。
また、「債務名義」となる強制執行認諾文言付きの公正証書を作成するには、当事者が公証役場に行く必要があります。

すぐに「差押え」をされるかのように書いてあるものは「にせもの」です。

まとめ

「ほんもの」の訴訟の場合は、

  • 「特別送達」で裁判所から訴状が封書で届きます。
  • 訴状と一緒に「答弁書」の用紙が入っていて、それを裁判所に提出します。
  • 「判決」などの「債務名義」、抵当権などの「担保権」がないと、「差押え」はできません。

以上を踏まえて、「にせもの」に騙されないようにしましょう。

本当に「にせもの」かどうか不安なときは、裁判所国民生活センターに確認しましょう。
くどいようですが、指定の電話番号にはかけずに、リンク先のホームページに記載されている電話番号や電話帳などで調べた電話番号にかけましょう。

「ほんもの」だった場合については、「もしも、裁判所から郵便物が届いたら」をご覧ください。

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