弁護士に依頼する6つのメリット
監修:牧野法律事務所(千葉県弁護士会)
代表 牧野 房江弁護士
法的トラブルに直面したとき、弁護士に依頼した方がいいか、自力でどうにかできるのか・・・。
多くの方が、それまで弁護士とのかかわりを持たずに生活されていたと思います。
弁護士に依頼した場合のイメージがなく、どうしたらいいか悩まれるのではないでしょうか。
そこで、弁護士に依頼した場合の代表的なメリットをあげてみましょう。
目次
弁護士に依頼するメリット
- 相手と直接交渉しないでいい。
- 法的根拠に基づいて主張できる。
- 面倒な書類作成をしないでいい。
- 訴訟の場合、裁判所に毎回出頭しないでよい。
- 相手によっては、態度が変わる。
- アドバイス受け放題。
メリット1.相手と直接交渉しないでいい。
敵対関係にある相手と直接交渉するのは、結構なストレスです。
間に弁護士が入るだけで、随分楽になるものです。
また、交渉に取られる時間を省くことができます。
弁護士に依頼すると、まず弁護士が相手に「受任通知」を発送します。
「受任通知」は、弁護士がこの件について受任したこと、今後は弁護士が代理人として交渉するので、直接ご本人に連絡しないように、といったことを記載します。
当事者同士だと感情的になってしまう場合も、間に弁護士が入ることで、話し合いがスムーズになることがあります。
メリット2.法的根拠に基づいて主張できる。
訴訟の場合は、自分の意見を通すのに法的根拠が必要になります。
そして、自分の意見を書面にして裁判所に提出しなければいけません。
裁判官は、当事者が主張したことと、当事者が提出した証拠で判断をします。
訴訟は専門性が必要になるので、弁護士に依頼した方がよいです。
示談交渉や調停でも法的根拠に基づいた主張の方が、(主張が通るとは限りませんが)説得力があります。
また、相手の主張が妥当なものなのか、一般的にはどうなのか、弁護士なら判断できます。
法的根拠のプロである弁護士に任せれば、安心です。
メリット3.面倒な書類作成をしないでいい。
裁判所での手続きには書類が必須です。
調停の申立書はご自身で作成できる場合もありますが、訴訟では訴状に必ず書かなければいけない項目があったり、法的根拠を示したり、証拠書類をそろえたりとなかなか面倒です。
さらに訴訟では、自分の意見や相手の意見に対する反論を書面にしなければいけません。
また、必要書類を集めるのが大変な場合があります。
例えば、遺産分割調停の申立てには、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要ですが、取寄せに手間がかかることがあります。
弁護士に依頼すれば、代わりに書類をそろえ、作成してくれます。
ほかにも、相手と話し合いをして合意した内容を契約書や合意書などにする場合、弁護士が作成した方が安心です。
ご自身で作成すると、紛らわしい表現で後々トラブルになったり、大事な内容が記載されていない、法律に違反していて無効になってしまう、などの問題が起こる可能性があります。
メリット4.訴訟の場合、裁判所に毎回出頭しないでよい。
調停(特に離婚調停)の場合は、基本的に当事者の出頭が必要ですが、訴訟の場合は代理人である弁護士が出頭すれば依頼者が出頭する必要はありません。
裁判は平日に行われますので、仕事を休みにくい方や遠方の方は出頭の負担が減ります。
ただ、訴訟でも本人尋問のときや和解離婚等のときは出頭する必要があります。
メリット5.相手によっては、態度が変わる。
相手によっては、弁護士が前に出ると態度が変わります。
弁護士から内容証明郵便が届くだけで、プレッシャーに感じる人もいます。
話し合いが有利になることもあります。
また、交通事故の場合、弁護士が保険会社と交渉すると、示談金の額が上がる案件が多いです。
そのため、保険会社から示談に関する提案書が来たら、すぐに署名押印せず、一度弁護士に相談された方が良いでしょう。
メリット6.アドバイス受け放題。
法的トラブルはたいてい相手がいるものですが、相手の出方次第で局面は変わっていきます。
弁護士に依頼していれば、その時々でどう対処すればいいか聞くことができ、安心です。
調停や訴訟は、1年以上続くことがあります。
多くの方が、どのような結果になるのか不安になり、相手の主張に苛立ち、精神的に弱ってしまいます。
そんなとき、弁護士が味方にいると心強いのではないでしょうか。
弁護士は、依頼者の希望する解決のゴールを見据えて、交渉や調停、訴訟を進めていきます。
依頼者と相手の今に至る経緯、相手の主張や証拠、これまでになされた裁判の判決(裁判例)などを検討し、どのような証拠でどのように主張していけばゴールにたどり着けるか、考えています。
弁護士は依頼者にとって、法的なアドバイザーであることはもちろん、精神的な支えになっていることがあるように思います。
弁護士に依頼するデメリット
逆に、弁護士に依頼するデメリットは、お金がかかることです。
弁護士費用には、法律相談料、着手金+報酬金、実費・日当などがあります。
弁護士費用は法律事務所によって異なります。
(弁護士費用については、「弁護士費用とは?」をご覧ください。)
そこで、上記のようなメリットと弁護士費用とを天秤にかけて、依頼するかどうか判断することになるでしょう。
ただし、訴訟は専門性が必要なので、弁護士に依頼することをお勧めします。