遺言・相続

相続人がいない?そんなときは相続財産管理人!

相続人がいないって、どういうこと?

亡くなった方に相続人がいない、ということがあります。
それは、身寄りがなく、法定相続人がいない場合と、法定相続人が全員相続放棄した場合です。

法定相続人になれるのは、配偶者(夫や妻)、子どもや孫、親や祖父母、兄弟姉妹や甥姪などなので、ずっと独身で、既に両親・祖父母が亡くなっていて、一人っ子の方が亡くなった場合、法定相続人がいないことになります。
ずっと独身の方や一人っ子の方が多くなってきたので、法定相続人がいないことも増えてくるかもしれません。

また、亡くなった方の遺産が、預金や不動産などのプラスの財産よりも、借金などのマイナスの財産が多い場合、法定相続人の方が全員相続放棄をすることがあります。
すると、亡くなった方の遺産を相続する相続人がいない、ということになります。

相続人がいないと、何が問題?

相続人がいないと、亡くなった方の財産がそのままになってしまいます。

例えば、亡くなった方が不動産を持っていた場合、不動産の管理がなされず、荒れ放題になる可能性がありますし、管理費や固定資産税などの費用が支払われないままになってしまいます。

また、法定相続人ではないけれど、亡くなった方のお世話をしてきた方や、成年後見人など亡くなった方の財産を管理していた方は、預かっていた財産をどうしたらいいのか困ってしまいます。

さらに、亡くなった方にお金を貸していた方や、遺言によって財産をもらうことになっている方は、誰に請求したらいいのかわからなくなってしまいます。

このような問題がおこるため、「相続財産管理人」という制度があります。

相続財産管理人

相続人がいない場合、利害関係者などが家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任を申し立てることになります。

そして、家庭裁判所から選任された相続財産管理人が亡くなった方の財産を管理・清算し、相続人の捜索をします。

相続財産管理人は、亡くなった方の財産を自由に処分できるわけではなく、「保存・管理・利用・改良」行為のみ認められています。
例えば、不動産の名義変更や預貯金の払戻・解約は可能ですが、不動産の任意売却や永代供養料の支払いなどは、裁判所の許可を得ないとできません。
また、節目ごとに裁判所に報告書を提出しなくてはいけません。

なお、相続財産管理人には、ほとんどの場合、弁護士や司法書士が選任されます。

ところで、相続財産管理人の選任申立てをすることができる利害関係者とは、どのような人でしょうか。
例えば、特別縁故者、相続債権者、受遺者です。

特別縁故者は、亡くなった方と生計を同じくしていた方、療養看護に努めていた方、その他特別の縁故があった方のことをいいます。
特別縁故者は、亡くなった方の財産が十分ある場合に、相続財産の全部または一部を分与してもらえる可能性があります。

相続債権者は、亡くなった方にお金を貸していた貸主や未払い家賃を請求していた大家さんなど、亡くなった方にお金を請求できる権利を持っている方のことです。
相続債権者は、亡くなった方の財産がある場合に、請求額の全部または一部を返済してもらえますが、亡くなった方の財産が借金ばかりだと、返済してもらえないばかりか、申立ての費用を負担することになるので、気をつける必要があります。

受遺者は、亡くなった方が遺言で財産をあげると指定している方のことです。
受遺者は、相続債権者への返済後に相続財産が残っている場合に、支払いを受けることができます。
相続債権者への返済が優先されるので、遺言に書かれているとおりの財産がもらえるとは限りません。

亡くなった方の財産が十分でない場合、申立人が相続財産管理人の報酬を負担することがあります。
申立てに関しては、裁判所のホームページをご覧ください。

相続財産管理の流れ

  1. 家庭裁判所は、相続財産管理人を選任し、選任されたことを公告します。
    (公告とは、広く一般に知らせることをいい、官報という国の機関紙や裁判所の掲示板に貼り出すことなどによって、全国民が認知した、ことにする制度です。)
  2. 相続財産管理人は、亡くなった方の財産を調べ、不動産の登記名義を「亡〇〇〇(亡くなった方の名前)相続財産」と変更し、預貯金は解約して相続財産管理人名義口座にまとめるなど、管理します(不動産は、最終的には裁判所の許可を得て売却などして、お金に換えます。)。
    また、公告によって、亡くなった方が負っていた借金の貸主(債権者)や、遺言で贈与を受ける人(受遺者)を探します。
  3. 公告によって相続人を探し、プラスの財産が多い場合は、債権者や受遺者に支払いをしますが、マイナスの財産が多い場合は、相続財産管理人の報酬を裁判所に決めてもらい、その残額を債権者に配当して、裁判所に終了報告をします。
  4. 相続人が期限内に名乗り出ない場合で、亡くなった方と生計を同じくしていた方、療養看護に努めていた方、その他特別の縁故があった方(特別縁故者)の請求があるときは、その方に相続財産の全部または一部を渡すことができます。
  5. それでもなお、相続財産が残っているときは、国庫に入れ、裁判所に終了報告をします。

相続、遺産分割についてわからないことや心配なことがありましたら、弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

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