離婚問題

DVによる離婚

■DVとは・・・

DVとは、配偶者(夫又は妻)及び配偶者と同視される親密な関係の男女間の暴力を言います。
(こちらの「DV(家庭内暴力)とは?」もどうぞ。)
暴力というと、殴るとか蹴るとか、身体的暴力のみを考える方がいますが、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV法)の暴力は、身体的暴力だけではありません。
・何を言っても無視したり、ばかにしたりして、相手を精神的に追い詰めるモラルハラスメントのような精神的暴力
・生活費をほとんど入れないような経済的暴力
・嫌がっているのに性行為を強要する性的暴力
・配偶者が他の友人や親族と仲良く交流することを制限する社会的暴力
のような暴力があります。

14~15年前の日本の家庭では、夫の言うことに従わない妻に対して、平然と暴力が振るわれ、警察に保護を求めても、「まあ、家庭内のことですから、奥さんも旦那さんをたてて、仲良くやってください。」と言われてしまうことが多かったと思います。

しかし、平成13年にDV法が施行されてから、3年ごとの見直しが図られ、女性サポートセンターが中心となって、各健康福祉センター、警察、裁判所、弁護士会等との連絡会議の回数を重ねるたびに、今ではかなりDVが犯罪であるという認識が浸透してきました。

最近では、身体的暴力のひどい場合は、警察が加害者を逮捕、勾留し、懲役刑まで科される例も増えてきました。
また、加害者から避難するための一時保護への助力や荷物の引き取りの立会等の協力もしてくれることがあります。

■保護命令とは・・・

DV法は、暴力が男女平等を阻害する要因であり、法が家庭に入っても排除すべきであるという考えに基づき制定されたものです。
前記したように、DV法の暴力は身体的暴力に限定されませんが、特に
・暴行罪や傷害罪に該当する身体的暴力
・生命、身体に対し害を加える旨の脅迫
に対しては、保護命令が発令される場合があります。

保護命令とは、
・被害者への6ヶ月間の接近を禁止する「接近禁止命令」
・同居していた被害者が自宅から避難する準備のため最高2ヶ月間家から出て行くことを命じる「退去命令」
をいいます。
ほとんどの方は、加害者に知られないうちに避難するので、接近禁止命令が申し立てられることが多いようです。
また、退去命令は加害者の生活に影響を及ぼし、権利を制限することが大きいため、裁判所は認めることが少ないです。

頻繁な暴力に子どもを連れて逃げたいけれど、子どもの通う幼稚園や学校を見つけられて連れ去られるなど、結局加害者と会わざるを得なくなると不安をお持ちの方、保護命令には、子どもへの接近禁止命令もあります。

また、親族や友人に加害者が接近し、結局加害者に会わざるを得なくなることを避けるための接近禁止命令もあります。
このほかに、電話やファックス、メール送信などの迷惑行為を禁止する命令も出ます。

■保護命令を申し立てるために・・・

保護命令を申し立てるには、申立書に添えて、暴力を受けたことの証拠となるものが必要です。
例えば、
・写真
・診断書
・メモ
・目撃者の証言
などです。

暴力を受けてあざができた場合などは、消えないうちに写真を撮っておきましょう。
その際には、あなたが被害者であることがわかるように、顔を一緒に撮りましょう。
顔と離れている部分については、
・顔と洋服
・同じ洋服と足先
などのように2枚撮ってください。

また、治療にはなるべく行くようにして、その際、配偶者からの暴力を受けたことを記載してもらっておいてください。
過去の治療の診断書でも、2年くらい前なら取ることができますし、医院によっては10年前のものを出してくれることもあります。

ただ、気をつけなければいけないのは、保護命令は「今後、生命、身体に危害を受けるおそれが大きい場合」に発令されるもので、10年前に暴力を受けたが、現在は全くない場合には、発令されません。

あと、保護命令を申し立てるには、警察や女性サポートセンターに相談に行くことも必要になります。
保護命令は、一旦発令されると、加害者の権利や行動もかなり制限されますので、申立にはいろいろな要件等が課されているのです。

■最後に・・・

暴力に悩み、加害者から離れて再出発したいと考えていらっしゃる方が離婚をする場合、一般には調停、訴訟という手続きを踏んでいく必要があります。
調停で配偶者と会わないように、身の安全を図りつつ、離婚手続きを進めていくには、弁護士の助力が必要です。

また、離婚手続きをする以前に、何よりも身の安全を図る必要があり、
・避難の準備、方法、時期
・退去の際に持ち出すもの
・お子様がいる場合の親権
・避難後の保護命令申立の必要性
・離婚の準備、離婚の際の養育費や財産分与請求
など、弁護士の助言がお役に立つと思います。
ぜひ、ご相談ください。

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